仮面ライダーに迫っていた「危機」

仮面ライダーファンにはすっかりおなじみとなった白倉伸一郎氏。

宇宙船 125 (ホビージャパンMOOK)

宇宙船 125 (ホビージャパンMOOK)

に掲載されていたインタビューの終盤が気になったので要約。

一見すると、10年間連続での放送が決まり、成功したように見える平成仮面ライダーシリーズだが、一方で「仮面ライダー」全体としてのブランド力は弱くなった。その一因として考えられるのは、平成シリーズで、昭和シリーズやウルトラマンがやっていた先代の客演をやらなかったこと。
先代の客演には、それまで見続けてきた年上ファンにとってのお祭要素だけでなく、当時の子どもたちにも、現役で戦う姿を見せることで興味を持続させる効果もあった。
平成シリーズでは、あえてそれをやらずに、作品ごとの独自性だけで見せてきたが、各作品ごとに大部分のファンが入れ替わり、シリーズ全体にまで関心が向かなくなっていた。それはセブンイレブンのストラップキャンペーンで如実になり、キバと電王は人気が高かったが、初期のキャラは余りまくっていた。
この先5年は、幼少期にライダーを体験せずに親になる世代への見せ方も考えていかないと、シリーズ存続の危機にもつながってくる。そこを乗り切れれば、その後はクウガ以降を体験して親になる世代が増えるから、20年連続放送も決して夢じゃなくなくなる。

というようなことを言ってました。
ここで気になったのが、「仮面ノリダー」の放送期間。80年代後半生まれなら、本家を知らなくても、ノリダーでだいたいの雰囲気は知ってるんじゃないかと思っていたら、なんとノリダーの放送時期が仮面ライダーブラックとほぼ同時。ZOとJは映画でしか展開されなかった、スーパー1やブラックを本放送で見てた人向けだったので、ライダーを全く知らない世代がいてもおかしくないんですね。ディケイドは、そんな、ライダーを全く知らずに親になっていく人たちのための作品であり、「オールライダー対大ショッカー」はその発展形というようなことを言ってました。記事では触れられてなかったのですが、9月から始まる「仮面ライダーW」の脚本を三条陸氏が担当するのも、ライダー空白期世代に向けたチャレンジの一環なのかもしれません。
また、誌上と話題が前後しますが、劇場版をブラック中心の話にしたのは、80年前後生まれの、昭和シリーズは再放送で、平成シリーズの本放送は大学生前後で見てきた、まさに私の世代をも対象にしたかったからだとか。さりげなく、倉田てつをさん以外にもオリジナルの客演者がばらされてますんで、そこは書店で確認してきてください。

そしてもう1つ。

直近の危機として、ディケイド最終回の近辺には、ちょうど夏の甲子園が控えていて、肝心な話が甲子園のご当地応援中継で見れなくなってしまう地域が確実に出てきます。代替放送の時間を確保して攻守交代の時間ごとに知らせるとか、せめて甲子園中継を8時30分からにするとか、各地区の放送局は、何かしらの対策を立てないと、苦情や抗議の殺到は必至です。全国大会の組み合わせが決まり次第、早急に検討してください。